COLUMN なごやめし

創意&進化の「名古屋めし」をもっと楽しもう!
簡単アレンジレシピも紹介。

2020.12.01

名古屋で独自に発展したグルメ、個性とバラエティ豊かな名古屋めし。そのルーツを見てみると、「創意」「進化」というキーワードが浮かび上がってきます。
そんな名古屋めしのさらなる進化形、簡単にできるアレンジレシピも紹介します。


■代表的な名古屋めしのルーツをざっとおさらい

まず地域名物の王道として、郷土の伝統から生まれたのが赤味噌(豆味噌)を使った料理です。昔ながらの味噌おでん、味噌で牛や豚の内臓を煮込むどて、どて飯、そして名古屋めしと言えば名前があがるこの2つ。

★【味噌かつ】 戦後間もない頃に街に出ていた屋台で、串かつをどての鍋につけたのが始まりと言われます。その後、とんかつ屋さんが試行錯誤してメニュー化。一方、味噌かつ丼は天丼をヒントに誕生。三重県でも独自に味噌かつを発案した店があったそうです。

★【味噌煮込みうどん】 尾張地方の農家を中心に食べられていた、味噌汁にうどんや野菜などを入れた「ごった煮」がルーツ。家庭料理だったものを一人用の土鍋で煮込むスタイルで店に出し始めたのは大正時代でした。

同じく歴史が古く、なかでも最もストレートな伝統食と言えるのが、

★【きしめん】 江戸時代には食べられていたことがわかる記述が見つかっているそうです。由来は刈谷のいもかわうどん、尾張藩伝統のキジ肉を入れた雉麺(きじめん)、碁石のような丸い形の棊子麺(けしめん)、紀州から伝わった紀州麺からなど、諸説あり。
薄く平たい形になったのはゆで時間を短くするためとも、つゆを楽しむためとも言われています。
昭和61年に名古屋駅の新幹線ホームに店ができ、名古屋名物としてよく知られるようになりました。

庶民派、B級グルメが多い中で贅沢なのが、

★【ひつまぶし】 これも諸説ありますが、明治時代後期、料亭の宴会の〆や出前の際にうなぎ数人分をまとめておひつに入れていたが、うなぎだけを食べてご飯が残ることが多かったため、刻んでのせ、混ぜて食べてもらえるようにした。さっぱり食べられるよう薬味やお茶を添えたという説がよく知られています。
一方、津のうなぎ店では客に出せないものを刻んでまかないとして食べていたそうです。

そして昭和30年代に生まれたイタリア源流のメニューが2つ。

★【あんかけスパゲティ】 イタリアの家庭料理をヒントに、後の有名店の創業者によって考案されました。

★【鉄板イタリアン(ナポリタン)】 イタリア旅行で本場のパスタに感動した喫茶店主が、冷めない工夫として思いつきました。

また、喫茶メニューといえば外せないのがこれですね。

★【小倉トースト】 大正後期、中区栄にあった店の女性店主が、学生客がトーストをぜんざいにつけて食べているのにヒントを得てメニューに取り入れました。

まかないから生まれたものもあります。

★【台湾ラーメン】 昭和40年代頃、台湾料理店の店主がまかないとして、台湾の家庭料理である挽肉の甘辛煮「台仔麺(タンツーメン)」をラーメンにのせたのが始まりです。

★【天むす】 昭和30年代、三重県の天ぷら店でまかないとして作られ、昭和50年代にのれん分けで名古屋にできた店が芸能人の間で人気になり、名古屋名物のイメージが広まりました。

片や、発注ミス(!)がきっかけというのが、

★【手羽先】 昭和30年代、とある居酒屋が手に入らなかった鶏肉の代わりに手羽先を仕入れ、その頃の看板商品と同様に調理したことから生まれたと言われます。


■創意工夫のアレンジ&進化メニューが多数

駆け足のおさらいですが、こうして見ると共通しているのはまず、輪郭のくっきりとした味であること(「濃い」とも表現されますが、濃いばかりではないのです)。これは旨みとコクの強い赤味噌やたまり醤油が郷土の味のベースにあるゆえと言えるでしょう。
それもあってクセになりやすく、また食べたくなるのが名古屋めしです。

また、今では重要な観光資源になっていますが、決して観光用に作られたのではなく、地元の人に愛されてきた食であるということ。名古屋の人たちのソウルフードになっているものがほとんどです。

▲名古屋のソウルフードと言えばコレ!

そして多くに言えるのが、何かをきっかけに「これ面白いかも?」「ちょっとやってみよ!」と、自由な発想、創意工夫から生まれたアレンジ型のメニューということです。既存のものを進化させた、と言ってもいいでしょう。
外国のものも吸収し、オリジナリティを加えて独自のものにしてしまう――あれ?どこかで聞いたような? そう、日本です。名古屋めしは、ある意味とても日本らしいものと言えるのではないでしょうか。


■引き継がれるDNA、さらなる進化継続中

▲卵入りのちらし風ひつまぶしも

そのDNAは生き続け、チャレンジ精神旺盛な担い手たちにより、さらなる進化形が生まれています。
名古屋めし第二世代の代表である台湾まぜそばに、うなぎではなく牛肉や鶏肉、とんかつなどを使った〇〇まぶし、味噌かつバーガー等々。
きしめんの味噌味やカレー味はかなり前からありますが、煮込みうどんのカレー版もあり、遂に冷やし味噌煮込みなるものも登場しています。

また、レトルトのソースやチルド・冷凍食品など、自宅で手軽に作れる商品も色々発売されています。地域限定販売のものもあり、他の地域へ出た人は家族に送ってもらったり、里帰りの際に買いだめすることも多いようです。


■作って食べよう! お手軽アレンジ名古屋めし

ところで、名古屋めしって食のプロから見るとどうなのでしょうか? 名古屋在住の管理栄養士・フードコーディネーターの山本理江さんに、そのポテンシャルを聞いてみました。
併せて、名古屋めしのアレンジレシピを紹介してもらいました。

フードコーディネーター 山本理江(やまもと・まさえ)さん
PROFILE/長野県生まれ。名古屋在住歴は30年超え。栄養指導・料理教室・セミナー・メニュー開発などで幅広く食を提案。2児の母でもあり、子どもの成長と親子を支えるパワーフードスタイリストとしても活躍中。

「大学から名古屋に来ました。住み始めて間もない頃、学食で頼んだおでんが真っ黒で、何の具かよく分からなかった衝撃をよく覚えています。
今ではすっかり名古屋めしにも馴染み、赤味噌と私の故郷・信州の味噌を独自にブレンドしてどて煮を作ったり、色んなお店でモーニングを楽しんだりしています。
今回は定番の名古屋めしをアレンジし、一つはスポーツに熱中する息子のお昼ご飯として私が実際によく作ったおむすび、もう一つは忙しい時に調理の手間を省きつつ食欲をそそる焼きそばをご紹介します」

【その1 ★味噌かつむすび】~味噌かつを天むす風にアレンジ!

<材料>10個分
豚肩ロース肉_________200g
塩・こしょう_________各適量
薄力粉____________適量
卵______________1/2個分
パン粉____________適量
揚げ油____________適量
ご飯_____________500g
焼き海苔(1枚を5等分に切る)_2枚
(味噌カツのタレ)
赤味噌____________大さじ2
酒______________大さじ1
みりん____________小さじ2
砂糖_____________大さじ2
水______________90ml
だしの素___________1つまみ

<作り方>
①豚肉を1切20gに切り分ける。塩・こしょうをふって薄力粉・卵・パン粉で衣をつける。
②鍋に(味噌カツのタレ)の材料を入れて火にかけ、煮立ったら2分ほど煮て、アルコールを飛ばしたら火を止める。
③フライパンに多めの油を入れて180度に熱し、①を揚げ焼きする。両面が色づいて火が通ったら、取り出して②にくぐらせてタレを絡める。
④ご飯1個当たり50gと③を一緒に握って海苔を巻く。

<POINT>
◎今回はカツに絡みやすいよう、サラッとした味噌カツのタレにしています。作る時間がなければ市販のもので。
◎天ぷら鍋に油を入れて揚げるのは大変なので、揚げ焼きで。
◎もっと簡単に仕上げたい時は、冷凍の味噌カツを使っても。


【その2 ★あんかけスパ風やきそば】~スパゲティをゆでる手間をカット!

<材料>2人分
焼きそば用蒸し麺_______2玉
玉ねぎ____________1/4個
ピーマン___________1個
赤ウインナー_________4本
マッシュルーム(スライス缶)_30g
油______________大さじ1
水______________大さじ2
塩・こしょう_________各適量

[A]
 タバスコ___________お好みで
 粉チーズ___________お好みで

【あんかけスパゲティソース】
[B]
 水______________350ml
 ケチャップ__________100g
 ウスターソース________大さじ2
 ブイヨンキューブ_______2個
 黒こしょう__________小さじ1
 ガーリックパウダー______小さじ1/2
 オールスパイス(あれば)____少々

水溶き片栗粉_________適量
タバスコ___________適量


<作り方>
①焼きそば用蒸し麺を電子レンジに40~50秒ほどかけて軽く温め、ほぐしておく。
②玉ねぎ・ピーマンは細切り、ウインナーは斜め薄切りにする。
③フライパンに油を入れて熱し、玉ねぎを入れて炒める。しんなりしたらピーマン・ウインナー・マッシュルームを入れてさっと炒め合わせる。
④③に①と水を入れて炒め、水気がなくなったら塩・こしょうをふる。
⑤鍋にBを入れて火にかけ、ブイヨンが溶けたら水溶き片栗粉でとろみをつけて火を止める。タバスコを入れてよく混ぜ合わせる。
⑥④を器に盛り、⑤をかける。お好みでAをかけていただく。

<POINT>
◎あんかけスパゲッティには専用の太麺を使いますが、大きな鍋にお湯を沸かしてゆでるのは大変なので、焼きそば麺で代用。フライパン一つでできるので手軽です。
◎黒こしょう・タバスコなどの辛みのある調味料はお好みで調節を。
◎ソースのとろみは強めの方が麺によく絡みます。
◎ソースを作る時間が無なければ、市販のあんかけスパゲティソースで代用してもOK。

■最後にひとこと

名古屋の誇る「創意」と「進化」のグルメ、名古屋めし。

それはどこまでも自由で、これからも殿堂入りするメニューが生まれるかもしれません。
本格的な味はこだわりのメニューを食べさせてくれるお店で、時には気軽におうちで、スタンダードで、マイアレンジで、もっともっと名古屋めしを楽しんでほしいと思います。

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