COLUMN まちづくり、ものづくり

過去最大規模の改修から再オープン!
新しい時代を迎えるとともに歩み始める「名古屋市公会堂」

2019.05.14

 昭和天皇のご成婚を祝し、名古屋市の記念事業として昭和5年に開館してから約90年の歴史を誇る「名古屋市公会堂」。耐震補強と設備機器の更新等2年間の大規模改修を終えて、2019年3月22日に再オープン。歴史的な雰囲気を色濃く残しつつ、安全性や快適性が向上した新しい公会堂の再開館を記念して、式典と内覧会が開催されました。

 1階の大ホールで行われた式典には、約250人が出席。記念公演として、地元の日本舞踊西川流四世家元・西川千雅さんが主演、PRINCESS SAMURAI OF JAPANあいち戦国姫隊が出演する「集い~いにしえからゆくすえに~」の祝儀演舞が披露され、再開館に花を添えました。

 内覧会には多くの市民が訪れ、新しく生まれ変わった名古屋市公会堂を嬉しそうに見ている様が印象的でした。東京の日比谷公会堂や大阪市の中央公会堂と並び、昭和初期の代表的な近代建築物のひとつである名古屋市公会堂。緑豊かな鶴舞公園の一角に位置し、長く市民から愛されてきた財産です。

 建物は地下1階~地上4階、大ホールと4階ホール、9室からなる集会室等で構成され、左右対称で重厚な直線と、柔和な曲線のバランスがとれた外観をはじめ、歴史的雰囲気を色濃く残しつつ改修されています。館内は、1階、地階ロビーにモザイクタイルを復刻するなど当時と変わらない昭和レトロな雰囲気のまま♪シャンデリアのライトなどはLEDを使用するなど、雰囲気を壊さないように新しいものを取り入れる工夫も随所に見られます。
新設された楽屋は和室やテーブルタイプなど、人数や使用用途によって使い分けができて、演者の方にも好評になりそうなクオリティです。

 大ホールは計1552席あり、車椅子スペース10席分も用意。舞台は客席側に1.8メートル拡張し、照明・音響・舞台・映写設備も一新しました。開館時には2,700席を擁し、あらゆるジャンルの催しが連日連夜開催され、賑わいを見せていたとのこと。天井照明や客席バルコニー等の意匠は、開館当時とほぼ変わらない姿をのこしていて舞台奥のクッペルホリゾントは国内現存としては珍しく、今後も国内外の有名アーティストのコンサートや講演会、大会、式典などでの活躍が期待されます。

 2階の第2集会室。白を基調としてモダンな雰囲気が素敵な空間です。開館当時は婦人集会室として利用され、一番豪華な特別室に次ぐお部屋だったのだとか。今回の改修でも当時の雰囲気を残すため、柱頭の飾りや天井の梁、マントルピースと飾り棚などは当時のものをそのまま使用しています。

 開館当時日本間として使用されていた3階の和室。戦前は正面に祭壇を設け、神前結婚式を挙げていたのだそう。写真左にある違い棚、下の右写真の欄間、左写真の釘隠しなどは当時の姿をそのまま伝えています。

 開館当初と唯一、名称が変わらない部屋「特別室」。貴賓室として作られ、天井には特殊で高雅な彫刻、窓枠の飾り、マントルピースなど当時と変わらない豪華さを維持しています。椅子は当時のデザインを再現して、今回新しく作られました。

 開館当初は着席786名、立食1,300余名を収容する大宴会場だった4階ホール。現在は講演会や社交ダンスなどに利用されています。今回の改修で床や天井を張り替えましたが、天井の装飾や柱の形状、左右の壁際の化粧棚など、開館当時の面影が色濃く残っています。
平成の終わりとともに改修を終えリニューアルし、新しい時代とともに歩みをはじめた名古屋市公会堂。今回の改修により安全面はもちろん、建物自体の寿命を伸ばす耐震工事も実施され、長く名古屋市民に愛される場所となることでしょう。

★もっとポイント
●1階大ホールの客席に注目!
重厚でシックな赤色が高級感ある大ホールの客席。こちら実は椅子横には開館当初のデザインである市章の「まる八」が復刻されています。着席した際は、横にも注目してみてください。

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