COLUMN デザイン・環境

名古屋の未来は明るい! 名古屋市民と市が“ごみ”について取り組んだ20年と、これからについて考える「なごやのみらいOpen Together!」をリポート!

2019.03.19

 1999年2月18日。名古屋市は緊急記者会見を行い、「ごみ非常事態宣言」を発表しました。あれからちょうど20年。飛躍的にごみの減量に成功したこれまでの軌跡や、市民への感謝、また“なごやのみらい”を考えるイベント「なごやのみらいOpen Together!」が、2月16日(土)にみなとアクルスで開催されました。

 みなさんは名古屋市の「ごみ非常事態宣言」をご存知でしょうか? 筆者もうっすらと覚えている程度ではありますが、「ごみの分別」や「藤前干潟」などのワードをよく耳にした記憶があります。
 当時の名古屋市のごみの量は年々増え続け、ついに100万トンに迫る勢いでした。市のごみ処理能力が限界を迎える中、野鳥や環境を守るために港区の藤前干潟の埋め立てを断念。大都市としては異例の「ごみ非常事態宣言」を行ったのです。当時の「宣言」をあらためて読んでみましたが、市の悲痛な叫びが見て取れます。

「ごみ非常事態宣言」全文
http://www.city.nagoya.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000111/111110/gomihijoujitaisengen.pdf

 この呼びかけは、市民・事業者・行政の協働による“20世紀中(2年間)に20%、20万トン削減”を訴えています。そして見事、目標を達成するのです。

 イベントのオープニングでは、名司会・小堀アナの進行により、ごみ減量のため特に尽力された3つの市民団体の代表者から、当時の活動や苦労話などの披露がありました。みなさん、自分の仕事を二の次にして活動を続けられてきたとのこと。頭が下がる思いです。そして、この活動を称え、河村たかし現・名古屋市長から感謝状が贈呈されました。「さんきゅーべりーまっち。これからも、よろしくやってちょーよ」と市長節も健在です(笑)。

 そして、オープニングセレモニーの最後には、可愛いダンスを披露してくれた地元港区の富士文化幼稚園の園児たちと、ゲストのMAG!C☆PRINCEの3名も加わって、“なごやのみらい”に向けて、「Open Together!」と宣誓が行われました。

 続いてメインステージで行われたのが、「なごやのみらい」トークショーです。なごや環境大学学長である涌井史郎氏(「サンデーモーニング」でもお馴染みですね)、中日新聞論説委員の飯尾歩氏、東海ラジオパーソナリティの深谷里奈さん、そしてMAG!C☆PRINCEの永田薫さん、阿部周平さん、平野泰新さんの3名が登場し、地球の温暖化や海流の変化などもろくなっている地球についての講義が行われました。MAG!C☆PRINCEの3名も、エコバッグや水筒を持参するなどエコを意識した行動をしているそうですよ。

 20年前の名古屋市が置かれた状況や、藤前干潟問題、非常事態宣言後の市民の取り組みなどの話は、とても興味深く、1時間の講義はあっという間。
 中でも印象に残ったのは、藤前干潟の問題です。名古屋市はごみの埋め立て候補地として藤前干潟を考えていましたが、ここには鳥類が172種類、底生生物(貝、カニ、ゴカイなど)174種類が生息している自然界の生き物のオアシスなのです。この環境を守るために埋め立てをやめることを英断。そして、市民の全員参加でごみの減量に成功したというのは、世界にも類を見ない例だそうです。そして、藤前干潟は2002年11月に特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地であるとしてラムサール条約に登録されました。これは市民として誇らしいことであり、干潟を守っただけでなく、市民自身の生活も守ったといえるのではないでしょうか。

 メインステージの周りでは、オープンキャンパスと言って、ごみについての知識を深めるためのパネル展示や環境ワークショップ、環境講座などが実施されていました。子ども向けのブースもあって、親子で参加されている人も多く見かけました。

 中でも目を引いたのがこちら、ペットボトルで作ったオブジェクトです。私たちがポイ捨てしたごみのせいで、海の生き物たちが将来見られなくなってしまうかもしれないという危機感を表現したものです。上から見てみると亀のモチーフが施されていました。
 オブジェを製作したのは、名古屋学芸大学メディア造形学部デザイン学科のメンバーです。
このオブジェクトは約500本のペットボトルで作られています。なぜだか分かりますか?調査によると、名古屋市では、1年で一人当たり約150本のペットボトルを消費しており、4人家族でこれだけの本数を1年で消費しています。これらのプラスチックごみが少しでも減るように願い、製作したそうです。
 会場では、「ヘドロ」をモチーフにしカードにメッセージを書いてもらうワークショップも実施していました。

 他にも、メインステージでは、本多“taco-bow”正典氏&劇団シンデレラによるミュージカル「天使が町にやってきた~藤前干潟から~」の上演や、3Fの吹き抜けガラス壁では「39ロード」と題した、ごみ減量の歴史を新聞記事で振り返る展示。また、屋外イベントスペースでは、名古屋出身の八神純子さんのチャリティトーク&ライブやMAG!C☆PRINCEのミニライブなど、盛りだくさんのコンテンツが繰り広げられ、とても賑やかで、しかもためになるイベントでした。

★もっとポイント
●普段できない体験ができる!

 屋外のエネルギーセンター前では、ごみ収集車による積み込み体験が!
 普段できないことだけに、子どもたちのテンションも上がっていましたよ。担当の方に積み込み方のコツをうかがうと、「左右均等に入れるとより多くのごみを収容できる」とのこと。ポイポイ投入しているだけかと思っていましたが、ちゃんと考えられていたんですね。そして、この20年間でごみの量が減ったのを肌で実感されているとも。ごみ収集の最前線でお仕事されている方の貴重な話も聞けました。

 次回は、2月16日開催 「CREATIVE CAFÉ NAGOYA vol.8 トリノ市「地区の家」に学ぶコミュニティ・ハブの在り方。」の様子をお届け予定です。お楽しみに♪

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