COLUMN デザイン・環境

年間100万トンのごみを4割削減成功!危機的状況から乗り越えた「市民協働」のパワー

2019.02.05

 港、空港、鉄道、新幹線、高速道路のすべてが整備され、関東方面、関西方面、両面へのアクセスも良好な住みやすい街として人気の都市「名古屋」。人口が増えるとともに、ごみの量も右肩上がりで増え続け、今から約20年前の1999年にはなんと年間約100万トン、ナゴヤドーム約3杯分のごみが出ていました。焼却能力も、埋立容量も限界を迎えており、最終処分場である愛岐処分場はあと2年で満杯になるという危機的状況。

 名古屋市ではそんな状況を打破するために、藤前干潟の一部を埋め立て、最終処分場を建設する計画を1981年から進めていましたが、藤前干潟が日本有数の渡り鳥たちの貴重な中継地であることから計画を断念。しかし、ごみは増え続ける一方です。なんとか、この困難を乗り切ろうと翌月「ごみ非常事態宣言」を発表しました。
 宣言を行うことにより、今の危機的な状況を伝え、市民や事業者の皆さまと共に一丸となってごみの減量に取り組める土台作りをスタート。今では当たり前のことですが、びん・缶・プラスチック製容器包装・紙製容器包装・ペットボトルの収集、透明なごみ指定袋制の導入などリサイクルする意識を各家庭レベルまで浸透させ、100万トンあったごみは今では、約4割減の61万トンまで削減することに成功。埋立処分量も約8割減少し、粗大ごみや不燃ごみがそのまま埋め立てられていた埋立処分場からはごみの山が消え、今までなかった分別する、リサイクルする意識が根付きました。

 成功の影には、市民1人1人の努力はもちろん、先頭に立って率先して実践し促進してきた市民、事業者の皆さまの功績が大きいといえるでしょう。
 全国的に見てもごみ問題に遅れを取っていた名古屋市は、危機的な状況を逆に結束を強めるきっかけとし、現状を共有・把握し、同じ目標とゴールを見据えることで「市民協働」でごみを減らし、名古屋の未来を切り開くことができたのです。

 2019年2月で、ごみ非常事態宣言から20年を迎えます。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」。国連加盟193か国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標は大きな目標です。どんな大きな目標も危機的状況も「市民協働」、1人1人の行動と協力で未来は変わっていきます。全員で挑戦していきましょう。

★もっとポイント
●ごみ非常事態宣言からの市民・事業者一丸となって取り組んだ功績

 宣言後、メディアは連日混乱している様子を取り上げ、市役所には10万件を超える市民の方から苦情や問い合わせの声が届きました。しかし、大混乱を見かねて、ついに市民の皆さんが立ち上がったのです。朝早くから「資源ステーション」で、市民の皆さんが分別や資源化の知恵を教え合うなど、ごみ減量に対する気運が高まりました。市だけではなく、市民や事業者一丸となり、ごみの4割削減は実現しました。1人1人の努力が、今の名古屋を作ったといえるのではないでしょうか。

 「ごみ非常事態宣言」から20年を迎えるにあたり、これまでのごみ減量の取り組みへの感謝と、さらなる名古屋の未来と環境意識の醸成に向けて、環境イベントが開催されます。

ごみ非常事態宣言20周年記念イベント「なごやのみらいOpen Together!」

日時:2月16日(土) 10時~16時(予定)
場所:みなとアクルス一帯(名古屋市港区港明2丁目3番2号)

コンテンツ:
①記念式典(感謝状贈呈式等)
②なごや環境大学涌井史郎学長&中日新聞飯尾歩論説委員などによるトークショー
③地元出身アイドルによるミニライブ
※観覧には、不要となった使用済み小型家電の持参をお願いいたします。
④SDGsトークライブ
⑤SDGsスタンプラリー
⑥八神純子さんチャリティトーク&ライブ(※事前申込、平成31年1月25日締切)
申込先URL:http://www.city.nagoya.jp/kankyo/page/0000111667.html
⑦なごや環境大学オープンキャンパス(環境ワークショップ、環境講座、
パネル展示等)

主催:「なごや環境大学」実行委員会 ウェブサイト https://www.n-kd.jp/
イベントURL https://www.n-kd.jp/blog/esdprj/2018/12/07/1073/
 
次回は、デザインで、豊かな創造性あふれる魅力的な都市づくり「ユネスコ・デザイン都市なごや」について配信予定です。お楽しみに♪

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